食べるとか、遊ぶとか、暮らすとか～横田昌子の新見生活はじめました～

＜第8回＞　ケンチンそば

つなぎは人情！新見を訪れるなら断然ソバ派！

新しい年を迎え、寒さがますます身に染みる新見。

ダウンジャケットのようなブーツで足首を覆い、レッグウォーマーとヒートテックのシャツは、ほぼ私の皮膚と化し、ひと時も離れない。コートはなるべく厚手で風を通さない素材なら更にOK！

移住して４度目の冬、工夫やチャレンジを重ね、そろそろ防寒対策も様になってきたころかと自画自賛していたが、今年は例年に比べると雪も寒さも今一つだそうだ。

それでも時より雪がチラつき、寒いものは寒い。こんな時は、熱々の食事で体を温めたくなるものだ。

突然だが、あなたは蕎麦派？うどん派？どちらですか？

私は現在地によって好みが変わるタイプだ（自分で書いていてもよくわからないが、そーゆータイプだ）笑

東日本に身を置くときには、蕎麦派。帰省したら必ず蕎麦屋に立ち寄ります。

西日本に身を置くときには、うどん派。はじめて讃岐うどんを食べたときの衝撃ときたら、異次元だった。コシという名の食感は「まぎれもない、うまみだ」と感じたほどだった。私調査によると、岡山と香川はセットで語られることが多く、岡山にはうどん文化が浸透している。県内の各所にうどん屋があり、子供からお年寄りまでソウルフードとして愛されているようだ。

この話の筋で行けば、新見はうどん派なのだが、西日本に位置しているにも関わらず、蕎麦派ではないかと思う。まるで、麺類の飛地エリア。

新見市の中でも南東部に位置する草間地域は、カルスト台地の上に集落がある世界でも珍しい場所で、そば処となっている。草間台地では昔から水が大変貴重で、稲作の代わりに小麦や、野菜、そして蕎麦の栽培が盛んだったそうだ。各家々ではおもてなしの際に、お米の代わりにそばを準備して振舞っており、そんな風習が今でも残っていて日々の生活にも根付いているそうだ。

そこで、是非食べて欲しいのは、名物「ケンチンそば」。草間台地で昔から食されている郷土料理で豆腐、大根、人参などお野菜たっぷりの具材が醤油ベースの鶏がらスープで煮込んだ温かいお蕎麦のこと。ボリュームも味も大満足の一品。この一杯は「そば道場田舎屋」という店舗で気軽に楽しむことができる。

実はここの店主には、お試し移住時から大変お世話になった。美味しい蕎麦を作ってくださるだけでなく、私たちに新見の歴史、文化風習、不動産事情など教えて下さり、様々な案内などしてくださった。

移住検討時、地縁の無い私たち家族と地域を繋ぐ頼もしい存在の一人には、確実に蕎麦屋の店主だった。

移住を検討されている際は、地域のつなぎ手のこの店へお腹を満たしに立ち寄って欲しい。