食べるとか、遊ぶとか、暮らすとか~横田昌子の新見生活はじめました~
虫嫌いな移住者家族が挑む田舎の夏時間とは、いかに?!
私の夏の思い出といえば、自転車を漕いで漕いで芋洗状態の流れるプールへ行って、帰りにコンビニで冷たい飲み物かアイスを買って涼みながら過ごす。
これがかつてのルーティンだった。
お金支払って、何かサービスや商材を消費して過ごす夏。
何も夏に限ったことではないが、大抵の政令都市部に住む人間は、このような消費活動の上に自分の楽しみや過ごし方を見出し、それが当たり前の生活になっていくのではないだろうか。
しかし、新見で過ごす夏に流れるプールは無い。
あるのは、とにかく虫・ムシ・むし。しかもデカイやつ。
蜂、アブ、ブヨ(ブト)、蚊、ムカデなどの刺されると厄介なものから、カブトムシ、クワガタ、ホタルなど子どもに人気のモノまで多種多様。
一方で大の虫嫌いである私には恐怖の季節である。
日々、わー!きゃー!と叫び、驚いている私の背中を見て育った娘も虫が怖くて仕方がない様子。
虫が怖いという理由で、外遊びも川遊びも行きたがらない娘の姿を見て、新見という自然豊かで、いい環境にいるのに、この機会を活かせてあげられないことに申し訳なさを感じていた。
まずは虫好きにならずとも、どうしたら怖くなくなるのだろうか。と考え始めた。
そもそも「虫が怖い」とは何か。私の場合、それは無知からくる拒絶感のようだ。
「この虫は何?」「刺してくる奴?」「どこ触ったらいいの?」「殺さなくて平気?」
経験値が少ない私は、虫だけでなく生き物全般に、どう向き合っていいのか分からない状況で何でも恐怖に変換されてしまうらしい。
自分の感情の根源を丁寧に探っていった結果、恐怖の対象は虫ではなく、私の経験不足に由来するということに気がつけたのは大発見だった。
だったら、知ればいいのだ!
ということで、危険性の有無や生育場所、生態などを地元の方に聞いたりして少しずつであるが慣らしている最中である。
そして今年は、初めて娘とホタルを見に行った。
真っ暗闇の中、明かりなしにズンズン進んでいくのを怖がって、始めこそグズっていた娘だったが、まるで天の川のように、おびただしく光るホタル達を見て「ねぇママお空の星が落っこちてきているよ。織姫様と彦星様はここで会うの?」と娘は言った。
詩情に満ち満ちた子どもの感性にうっとりした。
自然との距離感が近いと教わらずとも、こうも感性も刺激されるのかと感激した。一方の私は、人懐っこく手の平に止まったホタルを見て、可愛らしいとさえ感じた。
そしてこの夏、娘はカブトムシが触れるようになり、一生懸命私に触り方を教えてくれる。
こんな時にはまだ、にこやかにスルーして難をしのいでいる私は、正直、まだ虫と和解に至ってないが、以前ほど虫に騒ぎ立てる事態は無くなったように感じる。
田舎生活では、その地の利を活かして自分で遊ぶ場所、遊び方を開発したり、自然と危険との接し方を学び、知恵や経験値を積んでいく方が多いのでは、と思う。
そのような場数を踏んでない私は、新見に来て「何をして過ごせばいいの?」と未だに戸惑うことも少なくないが、移住や子供の存在のおかげで今まで経験してこなかった新しい世界、新しい夏の過ごし方を知ることができたのは、人生の大冒険である。
横田昌子(Yokota Shoko)
1984年生まれ、東京都出身。東京やベルリンでの生活を経て2020年に岡山県新見市へ移住。
夫、娘と三人暮らし。虫が苦手な田舎暮らし初心者。趣味は、料理・歌うこと・芸術鑑賞。
現在は、飲食のイベント出店、音声配信アプリを活用したラジオ番組のパーソナリティー
お薬に頼らない生活提案をするホリスティックサロン、企画制作のお仕事など
自分の特技や好きを活かしてパラレルキャリア邁進中
●毎週金曜日16時配信中(無料音声配信アプリ)
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