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坪内政美×コトコト「 駅からはじまる、ちいさなものがたり― 新見の鉄道、ゆっくり入門 ―」

第3駅 新見駅 ー愛すべきややこしやの駅ー 

更新)

新見市唯一の有人駅として、伯備線・芸備線・姫新線の3路線が乗り入れ、一日600~700人ほどが改札を通る新見駅。けれど実際には、改札の外へ出ない“通り過ぎる旅”も、この駅にはたくさんあります。

 

3路線が交わり、県北の鉄道の流れが集まる場所「新見駅」を今回は巡ります。

 

それでは、新見駅の物語へ。出発進行~♪

新見駅には、不思議な数字がいっぱいですよ

新見駅には、興味深い数字があちこちに転がっています。しかも、ちょっとややこしい。でも、気が付いたときから、その数字たちに愛着がもてるかもしれません。

長旅の158

汽車の乗降口から離れていますが、1・2番のりばホームにあります。

まるで三角鉛筆のようなキロポストが、1・2番ホームにあります。158と記されたこちらのキロポスト、姫新線(姫路~新見)の全長158kmを示しています(ちなみに、姫路駅には姫新線の「0(ゼロ)」キロポストがあります)。

 

最近のキロポストは、ホームの側面にペタリと貼られていることも多いのですが、“三角鉛筆キロポスト”は、歴史を感じる木製。雨風に耐えながら、158を守ってきました。

 

よく見ると、158の数字が刻まれているのは姫新線専用となっている線路側の片方だけ。158kmを走り切った運転士さんが、このキロポストを見てホッとしていたかもしれません。

ちょうど入ってきた姫新線車両。ようこそ新見へ、おつかれさまです。(坪内さん撮影)

3と4のヒミツ

1番のりばは芸備線

2番のりばは姫新線

5・6番のりばは伯備線

 

あれ?よく見ると3・4番のりばがない!?

 

現在の5・6番のりば、かつては「3・4番のりば」と呼ばれていました。5・6番と呼ばれるようになったのは平成31年のことです。それでは、3番と4番はどこにいったのでしょう。

改札口の上を見上げて、初めて「3・4」がないことに気が付きました。

3・4番はホームの間に見つけました!ただし、線路があるのみ。

列車運行の視点で見ると、この線路がもともと3・4番と呼ばれていました。

 

そして伯備線ホームも「3・4番のりば」。

3と4がややこしい…となり、伯備線ホームを「5・6番のりば」にしたそうです。

 

今、3番と4番を私たちが利用することはありません。だけど実はある。不思議な3番と4番。

それぞれのホームに挟まれた、白い矢印の線路が、3・4番です。

220のナゾ

数字の上にうっすらと「電話」と書いているように見える??

新見駅の入り口、見上げた場所にある「220」。電電公社のプレート、しかも戦前のものだと推測!

歴史を感じるこのプレートがある新見駅、「電話交換・呼び出し・電報・連絡」の役目を持っていた可能性があります。

 

昔の電話は、交換手を経由して届くものでした。もしその役目を、新見駅が担っていたのだとしたら…。人と人の気持ちをつなぐ大切な場所でもあったのかもしれません。

 

余生を新見駅で過ごす線路

役目を終えた古いレール。
今は、新見駅のホームを支える柱として使われています。

 

なんだか、余生をここで過ごしているみたいです。

 

その柱にも、数字を読み取ることができます。

星形の付いた刻印のレールは、1907年(明治40年)製造の新日本製鐵(八幡製鉄所)のレール。鉄道が支えていたレールも、今では私たちを雨風から守ってくれています。

 

 

ホームの真ん中は、線路と線路を曲げてつなげています。その加工技術にも驚き!

数字だけ聞くと「数字ややこしい~」となりそうな今回の駅舎探訪。だけど、その数字の裏にも歴史や想いがあります。その裏側を少し知るだけで、ちょっとだけ身近になった気がします。

 

―ややこしいけど、愛すべき駅舎「新見駅」

写真で見る新見駅

新見駅の建物財産標は、駅の入り口の上のほう。見上げる位置にあるのを発見。昭和3年(1928年)10月開設。つまり、2028年で100年を迎える貴重な名駅舎なのです。

駅舎内。もともとキオスクがあった場所は、新見や鉄道の観光案内を展示する場所に。

「ここが実は、芸備線列車の駅撮りスポットなんです」と坪内さん。ここは、トイレの前の柵のあたり。あまり人が集まらないマル秘スポット!

こちらの建物財産標は、1.2番のりばにあります。「旅客上家(りょかくうわや)」とは、乗降客が雨や雪に濡れることを防ぐ建造物のこと。さぁ、この財産標どこにあるでしょう。発車までの間に探してみよう。

5番のりばに入ってきた普通列車。時々見る電車ですが前方が白いことに気付きました。これは、中間車に運転台を取り付ける改造をほどこしているから!先日引退した「食パン電車(115系)」と同じく魔改造の電車!

伯備線の普通列車213系。もともとは瀬戸大橋を渡っていた初代快速マリンライナーでした。この子にも名前が付く日が来るのでしょうか。個人的には「メガネくん電車」かな…。(坪内さん撮影)

1・2番のりばの降車付近には、ICカード利用不可のチョークアート。列車から降りたら思わず立ち止まります。このチョークアートを描いているのは、新見駅若手社員で構成された「新見もりあげ隊」の駅員さん。

もうひとつは、JR西日本のICカード「ICOCA」のマスコットキャラクター、カモノハシのイコちゃん。消えないように、メンテナンスもおこなっています。チョークアートを描いている駅は、現在は新見駅だけ。

この日の5・6番のりばのチョークアートは、にーみん・イコちゃん・Uraraの三つ巴。特別列車が停車する時など、その時々に応じて絵柄は変わっています。さて、次はどんなチョークアートに出会えるかな。

5・6番のりばの奥は、柱に線路が使われていません。おそらく、別の時代に増築された部分だと考えられます。なにげないホームもこういう目線で見れば、いろいろ違いに気が付きます。

駅ホームにある椅子(ベンチ)の向きは線路に対して垂直。以前は平行に椅子がありました。酔った乗客が線路に落ちることを防ぐため、椅子の向きを変えたのはJR西日本が最初。2015年のことです。

この日は坪内さんのほかに、JR西日本の職員さんも一緒に新見駅を探検。このあと、3人で手を振り、自然とお見送りをしていました。列車に向かって手を振るって、なかなかいいものです。

偶然入ってきたやくも。坪内さん曰く「デビューの時にいたやくもです!」製造番号を表す語尾が-1…つまり1台目のやくも!みなさんも、ぜひ鉄道乗る時に見てみて!

6番のりばの向こう側。今は空き地です。もともとは、「留置線」という線路が何本も敷いていたそうです。新見駅は、線路が行きかう大きな駅だったことが想像できます。

新見駅にも駅スタンプあり。改札口に設置しています。千屋温泉と千屋牛がデザインされたスタンプです。

押すときは駅員さんに一言声をかけてくださいね。

写真で見る“新見駅周辺”―新見市観光案内所―

新見の鉄道を知りたければ、まずはここ。新見駅前の観光案内所は、鉄道グッズが充実しています。

布原駅のスタンプは観光案内所内に設置しています。1970年代の駅スタンプを復刻したもの。坪内さん寄贈。

布原駅のジオラマ。当時の盛り上がりを細かいところまで再現しています。このトンネルに向かう傾斜もそのまま。

坪内さんのコレクションから新見市内の方の寄贈品まで、様々に展示をしています。もちろん、鉄道グッズの販売もあり!

お土産も観光案内所に揃っています。鉄道のお土産もあります。

写真で見る“新見駅周辺”―新見美術館へ向かう近道―

鉄道好きの隠れた名所が、新見美術館への近道。頭の上の電車が通ります。水の流れる音と「がたんごとん」のハーモニーが交わる30秒!

身長183センチの坪内さんが通ると、高さぎりぎり…いや、少し頭を下げないとだめか!?背が高いみなさん、頭を打たないように気を付けてくださいね!

美術館側の入り口。増水時は通行できなくなることがあるそうです。雨の日は気を付けて。道幅も狭いので、走らずゆっくりどうぞ~。

新見駅基本情報(新見市の駅特集へリンク)

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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