櫻井耀のほのぼのコラム@新見市地域おこし協力隊
居候のすすめ
小学生のころ、時たま発生する嬉しいイベント、お泊り会。しかし、せっかく誘ってもらっても、母は『人に迷惑をかけない!』とたまにしか首を縦にふってくれませんでした。
その鬱憤が蓄積され、義務教育からの解放後はとにかく人の家に泊りまくる、やんちゃボーイでした。成人しても叔父さんの家に一年程、居候(いそうろう)生活をさせてもらい、米国でも雇い主の家に三食付きで住み込み生活をしていました。
一見、『居候』と聞くと厚かましく、のんきな奴がすること!なんて気もするでしょうが(まったく正解なのですが)居候にもコツやテクニックが要求され、誰にでもできることではありません。
大切なことは、居候先の本来の生活を極力乱すことなく、空気のような存在でありながらも『いてくれてありがたいよ』と思ってもらえるような【幸福】を提供できること。家庭に一人増員されることは負担もありますが、それを超えるHappyを与えられたらいいのです。
居候先でいい関係を築かないと、夕食がドックフードになります。
普段の食卓では会話が弾まないシーンもありますが、居候が『え、すごく美味しい』なんてほろりこぼせば、食卓に花が咲きます。また、食後の皿洗いを率先して行い家事負担に貢献すると、奥様はもうニコニコ。
市外から招き入れたら定住の促進にもなりますし、特に新見の一軒家はかなり大きく、部屋数もあることから、居候の受け入れには適している環境かと思います。
なにより今回、居候生活をおすすめする理由は『Help!』を発することがとても上手になること。家族や恋人以外との共同生活では、困りごとを上手に相手に伝えて生活を安定させる必要があります。
現在、インターネット社会で市場が便利になると、直接的な人間関係の希薄さから学校や職場、地域でも『助けてください。困っています!』となかなか自己表現ができず、状況の悪化から不登校、精神疾患、地域に溶け込めないといったケースが散見されます。
これは『自助・共助・公助』なんてことの前の前の話で、言うならば『異常』だと感じます。助けを求めなければ、ウルトラマンに変身するハヤタ隊員もカレーを食べながら待機。世の中には意外とヒーローは沢山いるので、堂々と助けを求められる地域の雰囲気が大切。
『人に迷惑をかけない!』といった分厚い社会が存在した時代は去り、これからは『人に迷惑をかける勇気!』を地域で育んでいきませんか?!
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