櫻井耀のほのぼのコラム@新見市地域おこし協力隊
安全・快適・便利のその先へ
公園を愛してもう何年になるだろうか。歩いていると絶妙なタイミングで休憩を促してくれる公園。
無秩序に乱立するコンクリートビルディングの隙間や、探検ごっこで発見した秘密のアジト。遊び・出会い・休息・瞑想、なんでもアリな公園の存在は生きる上で欠かせない場所。
先日、そんな公園に『休んでいきなさい』とばかり吸い込まれるようにして入っていった時のこと、感情が高鳴るモノを発見した!それこそ、『手作りベンチ』である。
作り手の思いを想像しながら
よく見ると、元々は単独で活躍していた一人用のイスが、三脚並んで板が敷かれ、ベンチに様変わりしていた。もう役目を終えても良さそうなイスが、力を合わせて『ベンチ』という新たな人生を歩んでおり、よ~ちゃんの心を鷲掴みにした。
備え付けの一般的な公園のベンチであれば、ここまで感情移入することもなくただ腰を休めていた。しかし手作りベンチに出会ってからは、作り手の制作風景が頭に浮かび、心まで癒してくれた。
安全面を考慮して遊具の撤去!ネットショッピングで快適生活!無人レジで便利でスムーズな会計!といった、安全・快適・便利に注目してシフトしていく世の中。『手作りベンチ』のような人の温かさに触れるきっかけが次第に薄れていく切なさもある。
帰宅し『人ってなんだっけ』なんて柄にもなく考えてみる。黒澤明という巨匠が残した作品『生きる』が妙に染み渡る梅雨の月夜であった。
★メッセージお待ちしております!
【LINE公式アカウント】はこちらから。
【Instagram】はこちらから。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。