新見の秘境を突き進む!!~絶景集落での出会い~
新見の秘境を突き進む~南編~
新見に来た当初からずっと不思議に思っていた道がある。
新見市民なら知っているはずだが、その道を通ったことがある人はほぼいないだろう道。
「存在を知っているが、通ったことはない」
その“道”を探るために今日は南の方へ出かけてみた。
新見市を南北に貫く主要街道、国道180号線。
市街地から南下し井倉方面に向かう途中に今回の目的地はある。
この風景に馴染みがある人はきっと多いだろう。

①
道路のようだが下から見るとかなり幅が狭い。車や人が通るのも見たことがない。
何かの管や線が通っているだけとも違う。

②
高梁方面から上っていて国道を横切るこの道はとても目立つ。
長年の市民であればその実態を知っているかもしれないが、実際にその構造物の上に行ったことがある人は少ないのでは。
ということで今回もみんなの代わりに突き進んでみよう。
まずはこの謎の道の始点を探しに脇道に入ってみる。
秘境探検の大事なポイントは地図を見ないこと。
だって楽しさが半減してしまうじゃないですか!
その先がどうなっているのか、ここで合っているのか、引き返せるのかわからないドキドキこそが冒険なのです!
とりあえず入ってみた道は行き止まり。
教えてもらった道の側に回ってみることに。
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そして入り口を発見!

③
その門口には普通の道路ではあまりお目にかかれない案内板が。
しかもご丁寧に2つも両脇に「自転車及び、歩行者専用」の標識。
確かに、知らないと車で侵入してしまいそうな普通の小道だ。
そんなわけで、ここからは徒歩で突き進むことに。
どんな用途の道なのか、どこまで続いているのか次々湧いてくる疑問を巡らせながら、ギリギリ車一台分の幅を歩いて行く。

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想像したよりごく普通の道だ。

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ここだ!ここ!!
国道からいつも見上げていた道に遂に足を踏み入れるぞ!

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高さはそこまでないのだが、とても気持ちのいい景色だ。
ずっと気になっていた場所にとうとう降り立った感動からだろう。

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橋を渡った先も相変わらず狭いままで続く道。

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勾配もなく、自転車で走るととても気持ちよさそうだ。

⑩
橋の反対側にもしっかり標識があった。
許可された車は通れるらしい。
タイヤの跡らしきものもあるので車は頻繁に通るのだろうと想像する。
と、そこに自転車に乗った人がこちらに向かって来る!
人気がまったくないこの場所で何たる幸運。
聞きたいことが山ほどあるので、思わず声を掛けた。
近くに住んでいるという男性はご親切に色々なお話を聞かせてくださった。
謎だったこの道は、JR伯備線が走っていた線路の跡地なのだとか。
よく見ると線路だった当時の痕跡も残っていた。

⑪
伯備線は倉敷から新見までの区間を高梁川に沿って敷設されているが、この辺りは特に川が蛇行しており難所だ。
山陽地方と山陰地方を連絡するJR伯備線の全線開業は昭和3年(1928年)。
当初は高梁川に沿っていた井倉駅―石蟹駅間を複線化に伴い経路変更し、昭和58年(1983年)トンネルで貫通させ約1.2㎞短縮させた。

その話を聞いた後でこの線路跡の道路と現在の線路の間に立ってみると、元々どのように繋がっていたのか在りし日の景色が見えてくるのでおもしろい。
次に伯備線に乗る時は車窓からの眺望も違った視点で楽しめそうだ。

⑫
ここ以外にもトンネルの掘削によって経路変更しカーブが減った場所は複数ある。
今でも伯備線は蛇行が多く車両が揺れることでも有名なのに、昔はもっと曲がりくねっていたと考えると背筋がぞっとしてしまう。
というのも、私自身「特急やくも」(揺れが大きく乗り心地が良くないことで有名)の洗礼を受けた一人でもある。
新型車両の273系になってからは大幅に乗り物酔い指数が改善されたという話だが、未だに怖くて乗れていない。
昔のもっとクネクネ路線のままで、特急のような高速運転だったらと思うと末恐ろしい。
先人たちの仕事にも感謝だ。

⑬
さて、この線路跡の道はこの先どうなっているのか。

⑭
電車はここからトンネルでまっすぐ下るが、旧路線は高梁川に沿ってこの先大きく曲がる。
そしてここから先、約3㎞に渡ってこの歩行者専用道路は続くのだ。
途中には民家もある。
昔は線路の真横だった家も今は住民以外通らない、つまりほとんど誰も通らない静かな道沿いの家になった。

⑮
お話を聞かせてくれた男性も、家からの景色が一変したと言っていた。
音もすごいが、蒸気機関車の時代には黒煙もすごかったという。
そして、この道の反対側の終点は実はここだった。
足見にある打ちっぱなし「ゴルフリバーサイド180」のすぐ隣にその出口はあったのだ。
このゴルフ場も国道からいつも見ていたので、ここに通じていたのかと驚きとともに感動すらある。

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歩行者/自転車専用道にアクセスできる場所が他にもあった。
井倉辺りの国道を走っていると見えるこの真っ赤な橋に馴染み深い方も多いのではないだろうか。

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矢茂吊り橋(新見市井倉)も車両通行不可。

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実はこの吊り橋を渡った先の対岸沿いにあの道が走っていて、通じていたのだ。
色々繋がって、今まで点だったことが線になり、なんだか新発見を自分が初めてしたような高揚感がある。
ここに住んでいる人に言ったら笑われてしまいそうな小さな冒険だけど。

⑲
冒険は足元にある、というのを今回も改めて体感することができた。
ちょっとした好奇心と、新たな場所に入ってみる勇気があれば自分の周りにも驚くほど未知の世界が広がっている。
お金も掛からず、いつでも誰でもできるお手軽な趣味にもなる。
あなたの近くにも冒険の入り口があるかもしれませんよ。
さぁいつもと違う道、通ったことのない道へ突き進んでみましょう!
追伸
なんとこの伯備線跡地の歩行者/自転車専用道路にグーグルマップのストリートビューがあったんです!
こんなマイナー道路まで網羅しているグーグルさんスゴすぎる。
実際に行くと見えるものは全く違いますが、お手軽に冒険気分が味わえますのでぜひ覗いてみてください。
※ストリートビューでは、途中から道が通行止めになっていますが、現在は通行できます!
三浦 美子 Miura Yoshiko
新見市地域おこし協力隊として、2023年に移住。
観光業の経験から、新見の魅力を発信する企画やイベントで活動中。
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